今『資本主義の預言者たち』中野剛志 を読んでいます。アマゾンなどに

今『資本主義の預言者たち』中野剛志
を読んでいます。アマゾンなどにもレビューがあると思います。 この中で『自国通貨建てで国債を発行しているのに借金が膨らむのを怖れるのはばかげている』という箇所を見つけました
経済一般、貿易赤字等の仕組みとかも知らなかったのでネット検索で調べてみたのですが。
仮に外貨建てで発行して利子等を払えなくなるってことですよね。
でも最近の国の収支を見てやっぱり借金が膨らむのはよくないと思うのですが、本当にこのままで大丈夫なんでしょうか?おおむね関連するどんなことでもいいですので回答ください。よろしくお願いします。
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現代の貨幣制度では、貨幣に信用を与えるために負債を作る必要があるので、借金を減らす事は出来ません。
まず経済に全くお金がない状況からの貨幣循環を単純化すると以下のようになります。
日銀が金融機関に貨幣供給→金融機関が国民へ貸し付けて経済へ流通→経済で流通している貨幣を負債者が労働で回収して返済
この循環過程で国民は預金をしていくのですが、金融機関は預金から更なるお金を作っていきます。
それを信用創造と言い、基本的には貸し付ける時に新しいお金を作ります。(詳細は以下URL参照)
上記の構造上、経済全体で見るなら金融資産と負債は必ず同額なので、消費・所得の増加を伴う経済成長をする場合は必ず負債が増加しなければいけません。(そうでないなら現在のお金は誰かが勝手に使った事になる)
このような制度にする理由は、国民に労働をサボらせないためです。
極論すると、政府(日銀)が無条件に貨幣を発行して配れてしまうと、配られた国民は労働をしなくなります。
しかし労働をしないなら商品の生産が行われないので、お金に価値がなくなるでしょう。
国民が米を10kgしか生産していないのに1兆円のお金を供給すれば、1兆円の価値は「米10kg分」に過ぎません。
これを避けるためにお金を供給する際には責任を持たせます。
それが借金で、供給のたびに国民が借金するのであれば、国民は供給分(借金分)の労働生産(返済)を約束したのと同じです。
つまり「お金=借金=労働の約束=信用」が成立し、単なる紙切れに信用を与えています。
ここで問題なのは「全てのお金を負債とする以上、金利分のお金が常に不足する」という事です。
例えば、国民Aが銀行から1万円を借りて経済にお金を流通させている場合、その経済には「1万円にかかる金利分のお金」が存在しません。
このため国民Aは2万円分の労働を行い、国民Bに更なる借金(消費)をさせて返済する必要があります。
端的に言えば、現在の貨幣制度は「借金を借金で返済する借金地獄」なので、経済全体で見るなら常に金利分の借金増加が必要です。
そうしないと金融機関が収益を得られない事になります。
また国民は循環しているお金の一部を常に貯蓄するので、金利分に加えて貯蓄分の借金増加(支出増加)がなければ貨幣循環が縮小していきます。
以上の事から借金の完済は原理的に不可能ですし、借金の削減も難しいと考えられます。
もし政府の借金を削減したいなら、政府以外の借金を増やすしか方法がありません。
そして日本の問題は「経済全体での借金不足」なので、現状は借金を増やす必要があります。
実際に日米欧の2000年以降における各国内負債増加率を比較すれば、明らかに日本の借金は抑制されすぎだとわかります。
日本
2000年の政府負債:695兆9994億円、民間負債:1792兆4119億円
2015年の政府負債:1212兆4466億円、民間負債:2023兆7269億円
2000年から2015年の政府負債増加率は年平均3.76%、民間負債増加率は年平均0.81%
米国
2000年の政府負債:707兆0937億円、民間負債:3926兆1438億円
2015年の政府負債:2466兆6935億円、民間負債:7483兆3504億円
2000年から2015年の政府負債増加率は年平均8.68%、民間負債増加率は年平均4.39%
欧州(ユーロ加盟国合計)
2000年の政府負債:691兆4268億円、民間負債:2620兆5539億円
2015年の政府負債:1507兆9715億円、民間負債:4488兆9965億円
2000年から2015年の政府負債増加率は年平均5.33%、民間負債増加率は年平均3.65%
※政府は地方自治体を含む
出典:日本銀行、連邦準備銀行、欧州中央銀行の各資金循環統計
政府・民間共に欧米より抑制されてきました。
よく日本を借金大国と誤解させてしまう「日本の政府債務対GDP比は世界最悪」という表現ですが、これは民間負債が増えない事が原因です。
政府が1兆円の借金をして支出し、民間が1兆円の借金をして支出すれば、GDP2兆円。政府債務対GDP比は50%
政府が2兆円の借金をして支出し、民間が8兆円の借金をして支出すれば、GDP10兆円。政府債務対GDP比は20%
となるので、もし日本の民間負債が欧米並に増えていれば、確実に政府債務対GDP比は改善していた事になります。
普通に考えて「借金大国(過剰消費)で消費不足」は矛盾し過ぎで、本当に日本の借金が多いなら消費大国のはずでしょう。
ここで重要なのは、政府と民間の負債は意味合いが異なるという点です。
民間は「借金分の労働」を担保にして借金するので、事業に失敗すると確実に破綻します。
このため「儲かると確信できる状況」でないと借金を止めてしまい、経済全体で消費不足の不況に陥る事があります。
日本では1991年のバブル崩壊から借金が減少し始めました。
一方、政府は民間と違って「借金分の労働」などしません。
1兆円の借金をして日本経済に1兆円をばら撒いたなら、強制的に徴税して1兆円を回収してしまうので、基本的に破綻は起こらないと考えられます。
円で取引をする限り、日本経済でしか使えない円は必ず日本経済で循環するため、「政府が本気になれば回収可能」の信用は絶対です。
このため民間のような「事業の将来性(収入の減少)」を理由に貸付を断られる事はなく、延々と借金を続けられます。
つまり特権を与えられている政府の役目は、民間負債が増加しない状況での政府負債増加と、民間負債が増加しすぎる状況での政府負債削減となります
しかし日本は欧米より民間負債が少ないにもかかわらず、政府負債まで抑制してしまいました。
これは国民が借金の増加を批判するからですが、結果として長い消費不足の不況を続けています。
「借金削減(消費削減)と景気回復(消費拡大)の両立」は原理的に不可能なので、理想を実現できない総理大臣は頻繁に交替させられましたが、安倍総理は「消費税を増税しながら公共事業拡大」のような矛盾政策をしているので、矛盾した理想に合致して近年の中では支持率が安定してしまいました。
ですが基本は消費不足を解消する財政出動が必要で、ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマンも「日本に債務危機は存在しない」と断言し、「完全雇用に戻せるほどの財政拡張(赤字拡大)が必要」と提言しています。(以下URL参照)
外貨を大量に借りなければならなくなるのは、為替介入が必要な時です。
労働に比べて消費が多くなるインフレ経済だと円の価値は低下していくので、為替も慢性的な円安になります。
円安になると輸入価格の上昇でインフレが更に加速するため、政府は外貨を借りて円を購入する円高誘導を行わなくてはいけません。
しかし外貨は国内経済から徴税できないので、返済するなら最終的に「円売り外貨買い(円安誘導)」をしなければならない事になります。
このため為替を維持する借金をしているなら、その返済までに再び円高になるような経済政策を成功させないと破綻します。
円が暴落する中で返済のために更なる円売り外貨買いをしようとしても、価値のない円を購入してくれる外国人が存在しなくなるからです。
一方で現在の日本は放置していても円高になります。
これは主要通貨圏の中で最も借金(消費)が少ないからで、円の価値が上昇するのは当然と言えます。
円の価値が高止まりしたために輸出企業は多くが日本から脱出し、貿易赤字に転落してしまいましたが、本気で慢性的な円安になるなら、生産性の高い日本国内での製造を選ぶ企業が多くなると考えられます。
なので破綻してしまうのほどの円の暴落はしばらく起こりません。
逆に円安誘導のため外貨を購入し続けたので、外貨を借りるまでもなく現時点の外貨保有量は世界トップクラスです。
結局負債の誇張が問題を起こすのは生産力とのバランスが悪化する時なので、そのような状況にならない限り基本は増やし続ける必要があります。
例えば、少子高齢化で決定的に介護士が不足してしまうと、政府の借金財政に意味がなくなります。
仮に100兆円の借金で介護費をばら撒いても、物理的に介護士がいないのですから介護されない高齢者は増え続けます。
このような状況だと、借金でお金をばら撒くほど少ない介護士を高齢者が奪い合って単価が上昇(インフレ)していくので、そのままインフレを放置して借金を続けるか、インフレ抑制のために増税・支出削減をしなければならなくなるでしょう。
しかしこれは「政府の借金が多い事の問題」ではなく「国民の消費に対して労働が追いつかない問題」なので、そもそも借金を問題視するのは間違いです。
借金がなければどうにかなったならともかく、借金があろうとなかろうと、また借金以外にどのような財源を確保できようと、労働者が足りないなら同じ問題が起こります。
「全高齢者が1億円の預金を保有している」と仮定しても、介護士がいないなら介護されない高齢者が増えるので、この対策は労働者を増やす以外にありません。
◆大きな政府債務を維持する場合は、そのロールオーバー=借換と利払いの履行のため、十分なベースマネーが供給されておく必要があります。また、政府債務の追加は、信用創造を通じてマネーサプライを直接供給します。
ベースマネーの過剰供給、マネーサプライの直接追加、この双方の経路を通じてマネーサプライが過剰になった場合、インフレが生じることになります。
つまり、政府債務が過剰であると言う場合、それはインフレが高くなりすぎていることを意味すると考えるべきです。
もしインフレが高くなりすぎていないのなら、政府債務が過剰だと考えるべきではありません。
◆国債などの大量発行の最大の問題は、利払いが収支を圧迫することです。
個人でも同じことです。
家族間の借金であっても、有利子負債であれば、額が多いと辛いですよね。
現在公債費は23兆円です。


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